Jazz Giant: Thelonious Monk

セロニアス・スフィア・モンク(Thelonious Sphere Monk、1917年10月10日 – 1982年2月17日)

ピアニスト。タイム感とヴォイシングが独特で、聴けばすぐにモンクとわかります。マイルスやコルトレーンなど、モンクとバンドを組んだミュージシャンは揃って多大な影響を受けたと言います。作曲能力にも優れ、多くのスタンダード曲を残しました。

天才、奇人、ミステリアス、ザ・ユニーク。様々な呼称が示すとおり、彼は風体も演奏スタイルも異常でした。巨漢に山羊ひげ、風変わりな帽子。指を伸ばして打楽器のようにピアノを叩く。興に乗るとピアノから離れ踊り出す。肘打ちで弾く、等々。

異様な響きの不協和音を叩きつけてくるし、変則的に繰り出されるコードにも不意を突かれます。濁った音色、いびつなタイム。それでもなお、僕はモンクのサウンドを誰よりも「澄み切っている」と感じます。聴覚と知覚のポケットに真っ直ぐ飛び込んでくる感覚。そのサウンドには奇をてらう作為は見いだせず、モンクという音源そのものから直接響いてきます。

きわめて複雑で、真っ直ぐで、クレイジーで、純朴。矛盾した存在。歪んだ美しさ(Ugly Beauty)。それがモンクです。

Jazz Giant: John Coltrane

ジョン・コルトレーン(John Coltrane、1926年9月23日 – 1967年7月17日)

サックス奏者。わずか40年の生涯の中で、その後のジャズの流れを決定づけるほどの業績を残しました。彼は調性を破壊し、音楽に自由と無秩序を与えました。

平和主義者だったコルトレーンは、人種差別や戦争を行う人々を見て心から悲しみました。神・宗教・宇宙に救いを求め、自らも音楽で人々を救済しようと考えていました。その一方で、暴飲暴食や不倫に溺れる自らの弱さに苦悩しました。彼のサックスを通して奏でられるのは、そうした丸裸の心でした。

コルトレーンの後期の演奏は、「怒り狂っているだけ」「音楽ではない」などと評されることがあります。そうした評価は総じて、音楽をリズムやハーモニーの集合としてだけ捉えている場合に下されているように思えます。彼の表現には感情が氾濫しており、それを受け止められない場合は騒音にしか聞こえないでしょう。しかしひとたび受け入れれば、彼のサウンドに含まれている閃光が見えてきます。

人間の強さも弱さも全て認め、救いを求めてただ音楽を奏でる。それは彼にとって祈りと同じ行為でした。祈るたび彼の心は力強く乱反射します。その美しい光に、僕は何度も魂を震わされました。

Jazz Giant: Bill Evans

ビル・エヴァンス(William John Evans, 1929年8月16日 – 1980年9月15日)

ピアニスト。その繊細なタッチと感傷的なメロディーは、ジャズを聞き慣れないリスナーの耳にも美しく響きます。

キャッチーであるだけでなく、ジャズの発展に多大な貢献をしました。従来はただのリズム隊と扱われていたベースとドラムに対し、常に掛け合い(インタープレイ)を行うことで、緊密で濃厚な演奏を可能にしました。また、教会旋法(モード)を取り入れた演奏法はアドリブの自由度を飛躍させました。

度重なる不幸と麻薬の常習により心身が蝕まれ、後期になるにつれ過激な演奏が目立つようになります。しかし透き通ったサウンドは生涯変わることがありませんでした。胸に鋭利に突き刺さるような、それでいて優しさに満ちた音楽を奏でてくれます。

Jazz Giant: Miles Davis

マイルス・デイヴィス(Miles Dewey Davis III, 1926年5月26日 – 1991年9月28日)

トランペット奏者。「ジャズの帝王」と呼ばれ、50年近いキャリアの中で常に新しいスタイルを切り開いてきました。スムーズなクールジャズ、壮大なクラシック、活気に満ちたダンスミュージック、破壊的なロックなど、あらゆる領域に踏み込み、マイルス・サウンドを響かせました。

彼は「ジャンル」という言葉を嫌悪し、「ジャズメン」と呼ばれることを拒絶しました。ただひたすらに自らのサウンドを追求し、死の直前まで一切衰えることなく拡張を続けました。彼の音楽は今も誰にも真似することのできない、唯一の輝きを放っています。

再度工事中

スマートフォンを買ったのでスマートフォンに最適化しました。
スマートフォンから当サイトにアクセスするとややスマートに表示されます。