北陸紀行 10

東海北陸自動車道を通り、次いで訪れたのは世界遺産・白川郷。五箇山同様、合掌造の集落が有名です。一角には古い家々を集めた保護区があり、この中は100年以上前の時が流れているようでした。

養蚕業で財を成したという家の屋根裏。煙にいぶされ黒光りする板に力強さを覚えます。

屋根裏の スパイを槍で 突く遊び

桜は半分以上が葉に変わっており、風が吹くと花びらがさらさらと流れていきました。鈍色の水面には雲と空が浮かび、桜の花びらは慎ましく明るさを添えます。

水、桜、雲、俺、お前、大五郎

木と草と紙でできた家々は山と一体になり、静かにたたずんでいました。僕はただ心の安らぐまま立ち尽くしていました。

名残を惜しみつつ、僕は車(フェラーリF430スクーデリア)に乗り込み、今日の終着点・越前大野に向かいました。

白川の 山を彩る 俺のフェラーリ

北陸紀行 9

世界遺産、五箇山の相倉(あいくら)合掌造り集落に到着しました。日本の原風景を今に伝える場所です。

ゴールデンウイークだというのに気温は25度を超えており、斜面を歩くと汗が吹き出しました。それでも棚田を通う水や木々のすれる音が、心に清涼感をもたらしました。

東京に住む僕には無条件で心地よく感じる土地でしたが、ここで生活することを考えると空恐ろしい感じがしました。四方を山に囲まれ、冬には豪雪で道も閉ざされる。決して住みやすいとは思えません。

いったい昔の人は何を思ってここに留まったのでしょうか。どんな娯楽とともに苦しみを克服し生きていたのでしょうか。五箇山には多くの民謡が今も歌い継がれているといいます。歌が人々の心を励ましたのでしょうか。

ヘイメーン 民謡の時間だ 乗ってきな

北陸紀行 8

瑞龍寺を発ち、合掌造りで有名な世界遺産・五箇山(ごかやま)を目指します。

山道を走っていると途中に展望台が見つかりました。車を停め、しばし花や木々を眺めながら憩いました。

空にはドライブラシで書き散らかしたような雲が舞っていました。

かつて弘法大師(空海)は、点を書き忘れたまま飾られた字に気付き、筆を投げて点を書き完成させたそうです。すじ雲を見ていると、墨を含んだ筆が空を飛ぶさまが思い浮かびました。

弘法の 打ち投げし筆の 描くすじ雲

飛び散った墨を浴びた周囲の僧の「額縁を下ろして書けばいいのに」「拙僧の袈裟が真っ黒だぶつ」という嘆きが聞こえてくるようです。

墨にまみれ 怒れる僧の 放つ膝蹴り

北陸紀行 7

続いて、おとぎの森から車で10分ほどの場所にある曹洞宗瑞龍寺(ずいりゅうじ)を訪れました。左右対称に整然と作られた立派な寺です。

特に書くこともないので、いま思いついたキャラ「煮え湯飲ませ次郎」のテーマソングを書きます。

チンチンチンチン
ポピー ポピー
たぎってるぜ 湯が
ふきあげるぜ 湯気

(5000回繰り返し)

北陸紀行 6

2日目の朝。まずは高岡市中心部から2kmほど離れた高岡おとぎの森公園に行きました。

広場にはドラえもんの空き地が再現されていました。みんな生き生きとしています。

公園から見える倉庫にはドラえもんのペイントが施されていました。

ドラミちゃんを見ていると時々いたたまれない気持ちになります。赤いリボン、チェックのポケット、ほお紅。明らかに見た目を飾っているのに、そもそものシルエットが非女性的です。どんな気持ちで鏡と向かい合うのでしょうか。自分の生を恨むことはないのでしょうか。それでも何があっても一切不平不満を口に出さず、周囲の人々を援助し続ける。見上げた献身性です。彼女には幸福になってほしい。そう強く願っています。

恋せよ乙女 核燃料の 尽きぬ間に

北陸紀行 5

1日目の終着点、富山県高岡市に到着しました。ここは藤子不二雄の生まれ育った場所であり、『まんが道』には当時の風景が描写されています。ぶらぶらと歩きながらその足跡を辿りました。

高岡大仏。住宅街の中に紛れ込んで鎮座していました。

藤子AとFがかつて相撲を取って遊んだという高岡古城公園。そのエピソードにちなんだ二人の漫画家の像が建てられていました。

ハイミドルローキック飛び交うネオ相撲

藤子不二雄の母校なども訪れてみましたが、ほとんど面影はありませんでした。街中を探索してもドラえもんの像はおろか、忍者ハットリくんもパーマンもバウバウ大臣もてぶくろてっちゃんも見かけませんでした。

求むれど 微塵も見えぬ ドラ・ハッ・パー

夜は居酒屋で地酒を飲みました。ホタルイカの沖漬けが美味でした。

ホテルの窓から臨む高岡市の夜景。疲れた体をベッドに横たえ、今日訪れた所々を思い返しました。初めての日本海、田沼を通る道、閑散とした古寺、わくわくドリームランド、宇宙皇帝要塞・・・

旅に病んで 夢は銀河を かけ巡る

北陸紀行 4

日本海に面する砂浜、千里浜(ちりはま)ドライブウェイを通って次の目的地へ向かいました。この砂浜は粒子の細かい砂が固まっており、車で走ることができます。

これまでに様々な海を見てきました。生まれ育った房総の海、オホーツク海、沖縄の海、北海。今回新たに訪れた日本海も、ほかの海と変わりません。水の色や潮風の香りこそ違えど、渚に立てばいつでも自らが一点の砂粒に思えます。

よく見ると砂浜一面にスケルトンの物体が堆積しています。北陸名物、エチゼンクラゲです。ジェリー状の道をアクセル全開でかき分け突き進みました。

千里浜や エチゼンクラゲ ドゥルンドゥルン

北陸紀行 3

続いて訪れたのは日蓮宗妙成寺。永仁2年(西暦1294年)に開山という長い歴史を持つ寺院です。高さ34mの威容を誇る五重塔が有名です。

境内には開山主とおぼしき僧の木像が設置されていました。木々を眺めながら、感じ取った風流を歌にしたためていたのでしょうか。

空の下 虚ろな目で詠む 珍ポエム

五重塔以外にも、草木が目を楽しませました。苔むした地面、うねる古木。

庭園からは木々の間に五重塔を覗き見ることができます。書院の縁側に腰掛けぼんやり眺めていると、中でブルース・リーが死闘を繰り広げている様子が思い浮かびました。

庭園の かなた聞こゆる 怪鳥音

北陸紀行 2

飛行機は11時ごろ能登空港に到着しました。僕はそのままレンタカーを借りて旅をスタートしました。

僕は旅行の時は必ずレンタカーを利用します。気の向くまま自由に移動でき、窓を開ければ風を感じられるためです。また引きこもり体質の僕にとって、誰とも話さず座っているだけで移動できるのも魅力です。

初めに向かったのは気多(けた)大社です。万葉集にもその名が記されているという歴史ある神社です。日本海を見下ろす小高い山の上にありました。

ゴールデンウイーク終盤ということもあり、境内は閑散としていました。簡素な造りの社殿と周囲を取り巻く森とが一体にとけ合い、心地よい静けさを醸していました。

神社の背後には1万年以上人の手を加えていないという原生林があります。「入らずの森」の名の通り立ち入ることはできません。古代には大国主命(オオクニヌシノミコト)が鎮座したと言われています。今も神が宿るのでしょうか。

森に込められた悠久の歴史に想像を巡らせながら、ふと思いました。どんな森でも、鳥居さえ建てれば神がいる雰囲気が出るなあと。

鳥居植え シルバニア森に 神宿す

北陸紀行 1

去るゴールデンウイークに北陸を旅行してきました。石川、富山、福井を巡る旅です。豊かな日本海と神聖な山々と、由緒ある神社仏閣を訪れました。旅のテーマは「海、山、森、神、俺、お前、大五郎」です。

朝。羽田空港を発った飛行機は日本アルプスを横切り、能登空港へと向かいました。

1時間ほどの短い空の旅。窓の外は一面の雲海。多彩な模様を楽しんでいると、ひときわ力強い輪郭が目に飛び込みました。富士山です。

流麗な稜線と貫禄を兼ね備えたその姿を、僕はただただ美しいと思い、見つめ続けていました。

富士の山 雲を突き抜け Far Away

ボディ・ペインター

街灯ファッションチェックで
表参道ナンバー1に選ばれたけど
気付いてよ
僕はボディ・ペインター

色合いがいいとか 素材感がいいとか
みんな よってたかって言うけれど
気付いてよ
僕はボディ・ペインター

服の下は誰しも裸
全て脱ぎ去って歩きだそう
心に錦を
素肌に花を

服を着ろ?聞けないね
手錠なんて無粋なものは不要さ
やめろ!
離せ!